データベース事業
特定術式のNCD術前前向き登録について
2016年6月
会員各位
平成28年度の診療報酬改定により,『K695-2 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除,1区域切除(外側区域切除を除く.),2区域切除及び3区域切除以上のもの)』,『K703-2 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術』の2術式が診療報酬に採択され,これらを施行するための施設基準も厳格に定められました.
新たに定められた施設基準(「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」平成28年3月4日 保医発0304第2号)では【当該手術を実施する患者について,関連学会と連携の上,手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていること】という条件が明記されています.
また,疑義解釈(疑義解釈資料の送付について(その2)平成28年4月25日)において,「関連学会と連携の上,手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っていること」とは【日本外科学会系のデータベースである一般社団法人 National Clinical Database(NCD)に症例を登録し,手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っている場合を指す】ことが明記されています.
なお,『K695-2 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除,1区域切除(外側区域切除を除く.),2区域切除及び3区域切除以上のもの)』では,併せて一般社団法人日本肝胆膵外科学会並びに肝臓内視鏡外科研究会における症例登録制度に症例を登録し,手術適応等の治療方針の決定及び術後の管理等を行っている場合を指すことが明記されています.
各施設様に安心して保険診療を実施していただき,かつ可及的速やかにNCDを用いた運用を開始していただけるよう,関係団体(日本肝胆膵外科学会,肝臓内視鏡外科研究会,膵臓内視鏡外科研究会,NCD,日本消化器外科学会)にて協議を行い,下記の方法により各施設様と関係団体との連携体制を構築させていただきます.
対象術式
K 695-2 3 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除)
K 695-2 4 腹腔鏡下肝切除術(1区域切除(外側区域切除を除く))
K 695-2 5 腹腔鏡下肝切除術(2区域切除)
K 695-2 6 腹腔鏡下肝切除術(3区域切除以上のもの)
K 703-2 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術
※注意事項
『K 695-2 腹腔鏡下肝切除術』のうち,以下の術式は,今回の対象外となります.ご注意ください.
K 695-2 1 腹腔鏡下肝切除術(部分切除)
K 695-2 2 腹腔鏡下肝切除術(外側区域切除)
対象症例
手術予定日が【2016年6月10日(金)以降】で,上記の対象術式を行う症例.
登録手順
a.『K695-2 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除,1区域切除(外側区域切除を除く.),2区域切除及び3区域切除以上のもの)』『K703-2 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術』共通
a-1.日本消化器外科学会への学会連携申請書の提出
<学会連携申請要件>
- National Clinical Database(NCD)に参加している.
- 保険診療を行う症例については,下記期限内に情報を登録する.
術前情報:手術日の前日まで
術後情報:手術日から90日後まで - NCD(消化器外科領域)を管轄する関係団体(日本肝胆膵外科学会,日本肝癌研究会,日本内視鏡外科学会,肝臓内視鏡外科研究会,膵臓内視鏡外科研究会,日本消化器外科学会)が,保険診療を行う症例について登録データの検証のためにデータを閲覧することを許可する.
- 関係団体(日本肝胆膵外科学会,日本肝癌研究会,日本内視鏡外科学会,肝臓内視鏡外科研究会,膵臓内視鏡外科研究会)による登録データの検証のためのAuditを受け入れ,協力する.
※学会が取り組む先進的保健診療医療の正しい評価と安心・安全な普及のための事業に参画にあたり,日本消化器外科学会へ登録費用の納付が必要となる見込みです.登録費用の納付については,後日,あらためて詳細をご連絡いたします.
【申請書の提出先】
〒104-0041 東京都中央区新富一丁目14番1号 501号室
一般社団法人 日本消化器外科学会 データベース委員会
a-2.NCDへの術前症例登録
対象術式の質と安全性の確保には,術前情報および術後情報の管理が重要となるため,従来のNCD登録から下記のとおり運用を変更し登録します.
※対象術式以外は従来のNCD症例登録を実施
<主な変更点>
- 手術日前日までにNCDに【手術予定情報】を入力し,ステータスを確定する.
※手術日の翌日以降は【手術予定情報】の変更は不可 - 術後に企画手術からの変更の有無について登録する.
NCDホームページ から「症例登録システム」にログインし,データの新規登録において上記の対象術式を選択すると必要な項目が表示されます.
登録手順の詳細はマニュアル( PDF 1.5MB)もご一読ください.
※2016年6月7日13時以降から登録が可能となります.
a-1.申請書の提出の前に,a-2.術前症例登録を行うことは可能ですが,いずれも必須の手続きとなりますので,申請書も必ずご提出ください.
b.『K695-2 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除,1区域切除(外側区域切除を除く.),2区域切除及び3区域切除以上のもの』のみ
b-1.肝臓内視鏡外科研究会の症例登録システムへの施設登録(各施設の倫理委員会の承認が必要)
b-2.肝臓内視鏡外科研究会の症例登録システムへの腹腔鏡下肝切除術(部分切除術と外側区域切除術を含む)を予定する全症例の術前登録
なお,現時点では,厚生労働省が定めた疑義解釈に記載されているように『K695-2 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除,1区域切除(外側区域切除を除く.),2区域切除及び3区域切除以上のもの』の保険診療を行う場合に,2種類の症例登録を併行して実施する必要があります.会員の先生に過剰なご負担をお掛けすることを重く受け止め,可及的速やかな解消に向けて検討を進めています.
先進的保険診療が安全に行われ,かつ正しい評価を受けるための登録制度の確立に向けた体制となります.従来の保険診療にはない枠組みであり,今後の本邦の外科治療の発展のためにもご理解とご協力をいただければ幸いです.
日本消化器外科学会 理事長 瀬戸 泰之
日本消化器外科学会 データベース委員長 掛地 吉弘
消化器外科データベース関連学会協議会 議長 後藤 満一
日本肝胆膵外科学会 理事長 宮崎 勝
日本内視鏡外科学会 理事長 渡邊 昌彦
肝臓内視鏡外科研究会 代表世話人 金子 弘真
若林 剛
膵臓内視鏡外科研究会 会長 中村 雅史
お問い合わせ
会員専用ページMyWebの[お問い合わせ]→[カテゴリ]→[データベース事業について]
併せてよくある質問 もご確認ください.
参考
消化器外科データベース関連学会協議会
日本食道学会,日本胃癌学会,大腸癌研究会,日本肝胆膵外科学会,日本肝癌研究会,日本膵臓学会,日本内視鏡外科学会,日本腹部救急医学会,肝臓内視鏡外科研究会,膵臓内視鏡外科研究会,日本消化器外科学会
「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」
(平成28年3月4日 保医発0304第2号) 第73の2,第75の4
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=335826&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114882.pdf
疑義解釈資料の送付について(その2)(平成28年4月25日)
医科 - 1,医科 - 2
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=352020&name=file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000122794.pdf
対象術式の診療報酬点数
■腹腔鏡下肝切除術
K695-2 3 亜区域切除:108,820点
K695-2 4 1区域切除(外側区域切除を除く.):130,730点
K695-2 5 2区域切除:152,440点
K695-2 6 3区域切除以上のもの:174,090点
■腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術
K703-2:158,450点