日本消化器外科学会 外科研究の利益相反に関する指針
序文
学術集会・刊行物等で発表される研究においては,医療機器,医薬品,特許を獲得するような新規技術を用いた種々の研究が行われ,産学連携による研究・開発が少なくない.産学連携による研究では,公的利益(学術的・倫理的責任を果たすことによって得られる成果の社会への還元)と,私的利益(産学連携に伴い取得する金銭,地位,利権等)を発生することがある.これらの二種類の利益が一人の研究者個人に生じる状態を利益相反と呼ぶ.
これからの社会では産学連携による研究が推奨され,それに伴う利益相反状態が生じることは避けられないものであり,特定の活動に関しては法的規制がかけられている.しかし,法的規制の枠外にも利益相反状態が生じる可能性がある.
利益相反状態が深刻な場合は,研究の方法,データの解析,結果の解釈が歪められることが危ぐされる.一方,適切な研究成果であるにもかかわらず利益相反が開示されていない場合公正な評価がなされないことがある.これらのことから,利益相反の指針を明確にすることにより,産学連携による研究を積極的に推進することが重要である.
文部科学省・厚生労働省は,さらなる研究の公平性を求め,2014 年12 月に臨床研究および疫学研究に関するそれぞれの倫理指針を統合した形で「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を公表した.本学会ではこの指針との整合性および,内外のCOI管理に関する動向を踏まえ,本指針の改訂を行なった.なお,改訂に当たり,「日本医学会 COI 管理ガイドライン」,日本内科系関連学会による「医学系研究の利益相反(COI)に関する共通指針」,日本外科学会による「外科研究の利益相反に関する指針」を参考にした.本学会は,医学系研究の質と信頼性を確保するために,本学会共通の利益相反指針を会員に徹底・遵守させることにより適切にCOI 管理を行い,社会に対する説明責任を果たしていく.
I.目的
本指針は,日本消化器外科学会(以下「本学会」という.)会員に対して利益相反についての基本的な考えを示し,本学会が行う事業に参加し発表する場合,利益相反状態を自己申告によって適切に開示させることにある.
II.利益相反の対象
本指針は臨床研究ばかりでなく,基礎研究に対しても適用される.また,本指針では,研究者自身が所属し研究を実施する機関以外の機関との間で給与等を受け取る等の関係を持つ「個人としての利益相反」のみを扱う.具体的にはサービス対価(指導料,謝金等),産学連携活動に係る受け入れ(受託研究,客員研究員・ポストドクトラルフェローの受け入れ,研究助成金受け入れ,依頼試験・分析,機器の提供等),株式,及び知的所有権(特許,著作権及び当該権利からのロイヤリティ等)を含む.
III.対象者
以下のいずれかを対象者とする.
(1) 本学会会員
(2) 本学会で発表する者(非会員を含む.)
(3) 本学会の役員,学術集会会長,各種委員会委員長及び委員会委員
(4) 本学会の事務職員
(5) (3)及び(4)の対象者の配偶者,一親等の親族,又は収入・財産を共有する者
IV.対象となる活動
本学会が行う全ての事業活動に対して本指針を適用する.
(1) 学術集会等の開催
(2) 学会機関誌,学術図書等の発行
(3) 研究及び調査の実施
(4) 研究の奨励及び研究業績の表彰
(5) 専門医制度に係る各種認定
(6) 生涯学習活動の推進
(7) 関連学術団体との連絡及び協力
(8) 国際的な研究協力の推進
(9) 社会に対する消化器外科学の進歩の普及及び医療への啓発活動
(10) その他目的を達成するために必要な事業
特に,下記の活動を行う場合には,特段の指針遵守が求められる.
(1) 本学会が主催する学術集会,教育講演,市民公開講座等での発表
(2) 学会機関誌,図書等の刊行物での発表
(3) 診療ガイドライン,マニュアル等の策定
(4) 臨時に設置される調査委員会,諮問委員会等での作業
(5) 企業,法人組織,営利を目的とする団体が主催又は共催の講演会,研究会,ランチョンセミナー,イブニングセミナー等での発表
V.開示・公開する事項
対象となる活動を行う場合,本人,配偶者,同居する1親等の親族又は収入・財産を共有する者において以下の(1)~(9)の事項で,別に定める基準を超える場合には,所定の様式に従い,利益相反の状況を自己申告する義務を負う.自己申告及び申告された内容については,申告者本人が責任を持つ.具体的な申告方法は,別に細則で定める.
(1) 企業や営利を目的とした団体の役員,顧問職
(2) 株の保有
(3) 企業や営利を目的とした団体からの特許権使用料
(4) 企業や営利を目的とした団体から,研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料等)
(5) 企業や営利を目的とした団体がパンフレット等の執筆に対して支払った原稿料
(6) 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費,奨学(奨励)寄付金
(7) 企業や営利を目的とした団体からの研究員等の受け入れ
(8) 企業や営利を目的とした団体が提供する寄付講座
(9) その他の報酬(研究とは直接無関係な旅行や贈答品等)
VI.利益相反の管理に関すること
個人情報,研究又は技術上の情報を適切に保護するため,正当な理由なく倫理委員会等における活動によって知りえた情報を漏らしてはならない.
VII.利益相反状態との関係で回避すべき事項
(1) 対象者の全てが回避すべきこと
医学研究の結果の公表や診療ガイドラインの策定等は,純粋に科学的な根拠と判断,又は公共の利益に基づいて行われるべきである.本学会の会員等は,医学研究の結果とその解釈といった公表内容や,医学研究での科学的な根拠に基づく診療(診断,治療)ガイドライン・マニュアル等の作成について,その医学研究の資金提供者・企業の恣意的な意図に影響されてはならず,また影響を避けられないような契約を資金提供者等と締結してはならない.
(2) 医学研究の臨床試験責任者が回避すべきこと
医学研究,特に臨床試験,治験等の計画・実施に決定権を持つ総括責任者には,次の項目に関して重大な利益相反状態にない(依頼者との関係が少ない)と社会的に評価される研究者が選出されるべきであり,また選出後もその状態を維持すべきである.
(イ) 医学研究の結果から得られる製品・技術の特許料・特許権等の獲得
(ウ) 医学研究を依頼する企業や営利を目的とした団体の役員,理事,顧問等(無償の科学的な顧問は除く.)
ただし,(ア)~(ウ)に該当する研究者であっても,当該医学研究を計画・実行するうえで必要不可欠の人材であり,かつ当該医学研究が社会的に極めて重要な意義をもつような場合には,その判断と措置の公平性,公正性及び透明性が明確に担保されるかぎり,当該医学研究の試験責任医師に就任することができる.
VIII.実施方法
(1) 会員の責務
会員は医学研究成果を学術集会等で発表する場合,当該研究実施に係る利益相反状態を発表時に,本学会の細則に従い,所定の書式で適切に開示するものとする.研究等の発表との関係で,本指針に反するとの指摘がなされた場合には,理事会は利益相反を管轄する委員会(以下「利益相反委員会」という.)に審議を求め,その答申に基づき,妥当な措置方法を講ずる.
(2) 役員等の責務
本学会の役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員は本学会に係る全ての事業活動に対して重要な役割と責務を担っており,当該事業に係る利益相反状態については,就任した時点で所定の書式に従い自己申告を行なうものとする.また,就任後,新たに利益相反状態が発生した場合には規定に従い,修正申告を行うものとする.
(3) 利益相反委員会の役割
利益相反委員会は,本学会が行う全ての事業において,重大な利益相反状態が会員に生じた場合,又は利益相反の自己申告が不適切で疑義があると指摘された場合,当該会員の利益相反状態をマネージメントするためにヒアリング等の調査を行い,その結果を理事長に答申する.
(4) 理事会の役割
理事会は,役員等が本学会の事業を遂行するうえで,重大な利益相反状態が生じた場合,又は利益相反の自己申告が不適切であると認めた場合,利益相反委員会に諮問し,答申に基づいて改善措置等を指示することができる.
(5) 学術集会会長の役割
学術集会会長は,学会で医学研究の成果が発表される場合には,その実施が本指針に沿ったものであることを検証し,本指針に反する演題については発表を差し止める等の措置を講ずることができる.この場合には,速やかに発表予定者に理由を付してその旨を通知する.なお,これらの措置の際に学術集会会長は利益相反委員会に諮問し,その答申に基づいて改善措置等を指示することができる.
(6) 会誌編集委員会の役割
会誌編集委員会は,学会機関誌等の刊行物で研究成果の原著論文,総説,症例報告等が発表される場合,著者には利害関係にある企業,法人組織,団体との利益相反状態の開示を求めなければならない.特に,介入研究結果の発表に際しては,資金,薬剤・機材,或は労務・役務の形で医学研究の実施又は論文作成の過程で企業,法人組織,団体から支援を受けた場合,透明性を確保するために著者らにはそれぞれの役割を適切に明記させなければならない.また,その実施が本指針に沿ったものであることを検証し,本指針に反する場合には掲載を差し止める等の措置を講ずることができる.この場合,速やかに当該論文投稿者に理由を付してその旨を通知する.本指針に違反していたことが当該論文掲載後に判明した場合は,当該刊行物等に編集委員長名でその旨を公知することができる.なお,これらの措置の際に編集委員長は利益相反委員会に諮問し,その答申に基づいて理事会の承認を得て改善措置等を指示することができる.
1)和文雑誌
2)英文雑誌
(7) 診療ガイドライン,治療指針等作成にかかる COI マネージメント
診療ガイドライン策定にかかる委員⻑および委員の選考は,専⾨家のガイドライン作成参
画を排除するようなものであってはならないが,利益相反の開示をしてきちんと管理することが重要である.ガイドライン作成にかかわるすべての委員の COI 状態とともに,診療ガイドラインを策定する当該学会の COI 状態も日本医学会診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス(2017)に示されている表 1,表 2 にて当該診療ガイドライン中に開示しなければならない.また,表 3 に示す各項目の基準額のいずれかを超えている委員については,審議には参加することは可能であるが,余人をもって替えがたい場合を除き議決権を持つべきではない.基準額を大幅に超えるような COI 状態がある場合には,委員候補は自ら就任を辞退することを検討すべきである.
表1 診療ガイドライン策定参加者のCOI開示記載例
参加者名 (所属,職名) |
1.顧問 | 2.株保有・利益 | 3.特許使用料 | 4.講演料 | 5.原稿料 | 6.研究費 | 7.寄附金 | 8.寄附講座 | 9その他 |
東京花子 X大学Y講座 教授 |
A製薬 | B製薬 D製薬 |
A製薬 | C製薬 | B製薬 E製薬 |
||||
東京太郎T 大学U講座 准教授 |
F製薬 | B製薬 D製薬 |
A製薬 H製薬 |
C製薬 | G製薬 |
参加者名 (所属,職名) |
1.顧問 | 2.株保有・利益 | 3.特許使用料 | 4.講演料 | 5.原稿料 | 6.研究費 | 7.寄附金 | 8.寄附講座 | 9その他 |
大阪梅子 M病院N内科 部長 |
C製薬 D製薬 C製薬 |
H製薬 E製薬 |
B製薬 | ||||||
大阪次郎 O大学P講座 教授 |
A製薬 A製薬 F製薬 |
B製薬 C製薬 B製薬 |
B製薬 | G製薬 H製薬 |
日本医学会診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス2017
表2 診療ガイドラインを策定する当該分科会のCOI開示(例)
1)分科会の事業活動に関連して,資金(寄附金等)を提供した企業名 |
A製薬 B製薬 C製薬 D製薬 E製薬 F製薬 |
2)診療ガイドライン策定に関連して,資金を提供した企業名 |
C製薬 E製薬 F製薬 |
表3 診療ガイドライン策定参加者の議決権に関する基準額
診療ガイドライン策定参加者の個人COI | |||
4.講演料 | 5.パンフレットなど執筆料 | 6.受け入れ研究費 | 7.奨学寄附金 |
200万円 | 200万円 | 2,000万円 | 1,000万円 |
(8) その他
その他の委員会委員長及び委員会委員は,それぞれが関与する学会事業に関して,その実施が本指針に沿ったものであることを検証し,本指針に反する事態が生じた場合には,速やかに事態の改善策を検討する.なお,これらの対処については利益相反委員会に諮問し,答申に基づいて理事会は改善措置等を指示することができる.
IX.指針違反者に対する措置及び説明責任
(1) 指針違反者に対する措置
理事会は,別に定める規則により,本指針に違反する行為に関して審議する権限を有しており,倫理委員会(又は該当する委員会)に諮問し,答申を得たうえで,理事会で審議した結果,重大な指針違反があると判断した場合には,その違反の程度に応じて一定期間,次の措置の全て又は一部を講ずることができる.
(ア) 本学会が開催する全ての学術集会での発表禁止
(イ) 本学会の刊行物への論文掲載禁止あるいは論文撤回
(ウ) 本学会の学術集会会長の就任禁止
(エ) 本学会の理事会,委員会及び作業部会への参加禁止
(オ) 本学会の評議員の解任,又は評議員になることの禁止
(カ) 本学会会員の資格停止,除名,又は入会の禁止
(2) 不服の申立
措置者は,本学会に対し不服申立をすることができる.本学会の理事長は,これを受理した場合,速やかに不服申立て審査委員会(暫定諮問委員会)を設置して,審査を委ね,その答申を理事会で協議したうえで,その結果を不服申立者に通知する.
(3) 説明責任
本学会は,自らが関与する場所で発表された医学研究の成果について,重大な本指針の違反があると判断した場合は,直ちに理事会の協議を経て社会に対する説明責任を果たさねばならない.
X.細則の制定
本学会は,本指針を運用するために必要な細則を制定することができる.
XI.指針の改正
本指針は法令の改変等の各種事情により,事例によって一部変更が必要となることが予想される.利益相反委員会は,理事会の議を経て,本指針を審議し,改正することができる.
Ⅻ. 施行日
(1) この指針は,平成22年4月13日から施行する.
(2) この指針は,平成28年9月5日から施行する.
(3) この指針は令和元年 7月 20日から施行する.
消化器外科学会 外科研究の利益相反に関する指針施行細則
第1条(日本消化器外科学会(以下「本学会」という.)学術集会での発表)
会員,非会員の別を問わず,本学会の学術集会,シンポジウム,講演会,および市民公開講座等で発表・講演を行う場合,筆頭と共著を含む発表者の全員は,過去3年間の利益相反に関する自己申告をしなければならない.その場合,抄録提出日の前年と前々年はそれぞれ1月から12月までを,また抄録提出年は1月から提出日までを1年として見なす.
(開示の範囲)
筆頭演者および共著者が開示する義務のある利益相反状態は,発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体に係る場合に限定する.
(抄録提出時)
抄録提出時から遡って3年間の利益相反状態の状態を所定様式(様式1)により明らかにしなければならない.
(発表時)
抄録提出時に明記した利益相反状態を,発表時に発表スライドの最初,あるいはポスターの最後に開示する(様式2).ただし,各々の開示すべき事項について,自己申告が必要な金額を次のように定める.
(1) 企業や営利を目的とした団体の役員,顧問職については,一つの企業・団体からの報酬額が年間100万円以上は申告する.
(2) 株の保有については,一つの企業についての1年間の株による利益(配当,売却益の総和)が100万円以上の場合,あるいは当該全株式の5%以上を所有する場合は申告する.
(3) 企業や営利を目的とした団体からの特許権使用料については,一つの特許権使用料が年間100万円以上の場合は申告する.
(4) 企業や営利を目的とした団体から,会議の出席(発表)に対し,研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料等)については,一つの企業・団体からの年間の講演料が合計100万円以上の場合は申告する.
(5) 企業や営利を目的とした団体がパンフレット等の執筆に対して支払った原稿料については,一つの企業・団体からの年間の原稿料が合計100万円以上の場合申告する.
(6) 企業や営利を目的とした団体が提供する研究費については,一つの企業・団体から医学研究(受託研究費,共同研究費,臨床試験など)に対して申告者が実質的に使途を決定し得る研究費で実際に割り当てられた額が100万円以上の場合は申告する.
(7) 奨学寄付金(奨励寄付金)については,一つの企業・組織や団体から,申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に,申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金で実際に割り当てられた額が100万円以上の場合は申告する.
(8) 企業や営利を目的とした団体からの研究員等を受け入れている場合は申告する.
(9) 企業や営利を目的とした団体が提供する寄付講座に所属している場合は申告する.
(10) その他の報酬(研究とは直接無関係な旅行,贈答品等)については,一つの企業・団体から受けた報酬が年間5万円以上の場合は申告する.
第2条(本学会機関誌等での発表)
(開示の範囲)
著者および共著者が開示する義務のある利益相反状態は,投稿内容に関連する企業や営利を目的とする団体に係るものに限定する.
(投稿時)
「日本消化器外科学会雑誌」等で発表を行う著者は,投稿時に,投稿規定に定める様式(様式1)により,利益相反状態を明らかにしなければならない.各々の開示すべき事項について,自己申告が必要な金額は細則第1条で規定された金額と同一とする.開示が必要なものは論文投稿3年前から投稿時までのものとする.「日本消化器外科学会雑誌」以外の本学会刊行物での発表も,これに準じた書式で自己申告を提出する.
第3条(役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員)
(開示・公開の範囲)
開示・公開する義務のある利益相反状態は,本学会が行う事業に関連する企業や営利を目的とする団体に係るものに限定する.
(就任時)
本学会の役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員は,新就任時と就任後は1年ごとに「役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員の利益相反自己申告書」(様式3)によって毎年の利益相反状態を報告する義務を負うものとする.様式3に開示・公開する利益相反については,本指針V.開示・公開する事項で定められたものを自己申告する.各々の開示・公開すべき事項について,自己申告が必要な金額は細則第1条で規定された金額と同一とし,直近3暦年分を記入して,その算出期間を明示する.就任時は就任から遡って3暦年分のCOIを1年ごとにそれぞれ様式3によって申告しなければならない.就任後は1年ごとに,利益相反自己申告書を理事会へ提出しなければならない.
第4条(役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員の利益相反自己申告書の取り扱い)
本細則に基づいた学会に提出された様式及び,そこに開示された利益相反状態(利益相反情報)は学会事務局において,理事長を管理者とし,個人情報として厳重に保管・管理される.利益相反情報は,本指針に定められた事項を処理するために,理事会が随時利用できるものとする.その利用には,当該申告者の利益相反状態について,疑義若しくは社会的・法的問題が生じた場合に,利益相反委員会の議を経て,理事会の承認を得たうえで,当該利益相反情報のうち,必要な範囲を学会内部に開示,あるいは社会へ公開する場合を含むものとする.様式の保管期間は,役員,学術集会会長,委員会委員長及び委員会委員の任期終了後2年間とし,その後は理事長の監督下で廃棄される.ただし,その保管期間中に,当該申告者について疑義若しくは社会的・法的問題が生じた場合は,理事会の決議により,廃棄を保留できるものとする.
第5条
利益相反委員会は,理事会の議を経て,本細則を審議し,改正することができる.
附則
(1) この施行細則は,平成22年4月13日から施行する.
(2) この施行細則は,平成28年9月5日から施行する.
(3) この施行細則は,令和元年7月20日から施行する.