女性消化器外科医の執刀症例における公平性の担保についてのご依頼
2022年11月25日
日本消化器外科学会会員各位
一般社団法人日本消化器外科学会
理事長 北川 雄光
副理事長,男女共同参画委員 調 憲
男女共同参画委員長 野村 幸世
会員の皆様におかれましては,平素より本学会の男女共同参画推進活動に御理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます.
この度,日本消化器外科学会によるNational Clinical Databaseを利用した男女の消化器外科医による手術成績を比較した研究(研究代表者 吉田和弘先生)において,3術式(幽門側胃切除術・胃全摘術・低位前方切除術)における短期手術成績に差はないことが明らかになりました.また,背景として,女性消化器外科医は男性と比べて手術執刀数は少なく,腹腔鏡手術の割合が低く,様々な併存疾患を有するリスクの高い患者を受け持っていたことも明らかになりました(手術短期成績の比較についてはこれらの因子について調整済みです). 日本消化器外科学会は本論文で明らかになった現状に関わる要因を明らかにしながら,手術機会の性差を解消し,女性消化器外科医がより活躍できるような環境整備のために真摯に取り組んでまいります.皆様の施設におかれましても,ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます.
Okoshi K, Endo H, Nomura S, Kono E, Fujita Y, Yasufuku I, Hida K, Yamamoto H, Miyata H, Yoshida K, Kakeji Y, Kitagawa Y. Comparison of short term surgical outcomes of male and female gastrointestinal surgeons in Japan: retrospective cohort study.
BMJ. 2022 Sep 28;378:e070568. doi: 10.1136/bmj-2022-070568. PMID: 36170985.