データベース事業
NCDのフィードバックについて
2014年8月
消化器外科診療にかかわる皆さまへ
一般社団法人日本消化器外科学会
NCDのフィードバックについて
関係者の皆さまの多大なるご協力のもと歩みはじめましたNational Clinical Database(NCD)の事業も,このたび初期の入力済みデータの検証が終了し,ようやく成果を活用する段階に入りました.関係者の皆さまには改めて感謝申し上げます.
このたび,臨床現場へのフィードバックの一つとして,症例登録システムにおいて,医療水準評価術式(主たる8術式)のうち以下の2術式に関するリアルタイムフィードバック機能(死亡率の予測値の計算機能)がリリースされましたのでご連絡いたします.詳細は,症例登録システム内の通知内容をご覧ください.
- [消化器外科(対象術式:胃全摘)]
- [消化器外科(対象術式:膵頭十二指腸切除術)]
消化器外科領域では,入力されたデータを活用するにあたり,まずNCDのシステムの正当性やデータの信頼性を担保すべく,外部の検証を受ける方策として,データベース委員会にて主たる8術式に関するリスクモデル設定(死亡率)についてNCDと共同で論文化を行ってきました.この検証が済み次第,これらリスクモデルに基づく情報を付したうえで,順次さまざまなフィードバック機能をリリースする予定です.今回はその第一歩ですが,今後リリースされる機能を通じて,診療上の貴重な参考資料として,また自診療科の特徴を把握し改善に向けた課題を同定する情報にするなどして,ぜひこのデータベースをご活用ください.
NCDは,2012年には複数の専門医申請への活用が,2013年には関連団体と共同した臨床研究が始まり,また日本消化器外科学会雑誌にて消化器外科領域のAnnual reportも公開され,さまざまな活用が開始されました.臨床現場全体により多くのフィードバックを行っていくことにより,消化器外科診療の改善に向けた課題を同定し,合併症発生率の低下,入院期間の短縮など,医療の質の向上や医療コストの低下に寄与することが期待されます.
今後ともデータベース事業をよろしくお願いいたします.